この魅力ある道具に、あなたは勝てるでしょうか?
半世紀以上前、東京オリンピックがテレビ放送された時、みんながテレビに夢中になり、「その後、国民 総アホになる」とテレビを観すぎることにブレーキをかける時代がありました。
また、ビデオを観ることが多くなると、乳幼児の脳の発達や、言葉の遅れが心配された時代がありました。
また、テレビゲーム時代、我が家の40代の息子たちも夢中になり、親子バトルが起きました。やることやってからゲームをしなさい!!
我が家は境川の堤防下に住んでいるので、自然がいっぱい。そんな環境でしたので堤防を駆け回って遊んでほしい。
そして、次男が盲腸になり入院するきっかけで、父親がポケットゲーム機なるものを渡して。
次には、パソコンでインターネットを利用して調べたりすることで、辞典や図鑑、本離れが危惧されてきましたね。
しかし、ここまでは一家に一台か、二台、一人一台ではないですね。テレビを観ても、家族で一緒にクイズに答えたり、世の中で起きてる事件などをにそれぞれが意見を言ったりしてましたね。
インタ―ネットで調べるにしても、○○について調べようと、親の同意をして共有できましたね。
ところが今は、スマホという便利な利己主義的な道具を、一人一台保有する当たり前の時代に突入しています。
個人情報の取り扱いがうるさく言われてるのに、個人情報のウソかマコトか、駄々洩れの時代。しかし、子どもがどんな情報を調べているのか、親の管理次第。
家族で共有することで、テレビもビデオも、テレビゲームも許されてきたのに、今は一緒にいながら。それぞれが好きなユーチューブを見ている時代。
テレビのチャンネル権のない子供時代、観たくもないけどテレビドラマ、相撲、時代劇。何となくその時代背景や雑学たるものが自然に記憶された時代。
わたしは未来ある子どもたちをちょっと心配しています。人の心や考え方を、親が話している内容から獲得したり、一緒にテレビを観たりする中で学べたことも、いいきっかけだったかもしれない。悪と言われたテレビが、今は一緒に観たほうが良いよって言いたくなる。
ニンテンドーDS用ソフト 「脳トレ」シリーズの監修者としても有名な医学博士 川島隆太先生は、自分の子どもたちには「テレビゲームは一日一時間」と決めていて、こどもが約束を破った時にはゲームソフトを破壊した事があるようです。これは脳の研究成果ではなく「ゲームが怖いのは何時間でも潰させてしまうこと。ゲームが悪いと思わないが、度が過ぎれば、勉強時間や家族とのコミュニケーションがなくなるんじゃないかと心配しています。」とも語っていますが、後日、脳に与える悪影響についての本を出版しました。
そして、2016年には川島隆太教授の研究グループが、長時間のビデオゲームが小児の広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見したと発表しています。
更なる研究の結果
- 自宅学習が長い生徒ほど学力が高い。
- 長時間形態やスマホを使用する生徒の学力が低い。
- 携帯やスマホを使用しないで、自宅学習をほぼしていない生徒は、家庭学習をしていて、携帯やスマホを1時間以上している生徒より、学力が高い。
- 携帯やスマホの使用による家庭学習の減少が、直接学力低下の原因となっている可能性は低い。
- 自宅学習をほぼ行っておらず、かつ携帯・スマホ使用時間の長い生徒の成績が低くなっていることから推測すると、学校での学習に悪影響を与える何かが生徒の脳に生じた可能性がある。
更に近年「スマホが学力を破壊する」著書で、
- スマホを使えば使うほど学力が下がる
- 3時間触ると2時間の勉強が無駄に。
- 1時間以内のスマホ利用の子供が一番学力が高い
- 睡眠時間6時間未満は、スマホ利用に関わらず全体的に学力が低い
- 睡眠時間とは関係なくゲームをする時間が長いほど学力が低い
- テレビ視聴時間が長い方が学力が低い(全くしないは学力が低い。1時間未満が最高)
- メディア・マルチタスクは学力、認知力、記憶力、社会性全てを低下させる。
- 紙の辞書を使って調べると前頭前野が活動するが、スマホやネットで調べたときは活動しない。
- テレビ、ゲーム、スマホは前頭前野の機能を、抑制する
- 基本的な生活習慣を家族で一緒に過ごすのが一番学習意欲を向上させて、結果学力も向上。
- 話を聞いてくれる家族がいる子供達の方が学習意欲が高い。
スマホの使い過ぎは、脳にダメージを与えることが分かってきたようです。
そして、今、スマホが家族とのコミュニケーションを阻害してるかもしれません。また、勉強時間を圧迫してるかもしれません。
親御さんの相談トップはスマホ問題です。どうか、親子できちんと話し合い、ルールを決めてください。
尾木ママの、こんなルールを参考にしてみてください。
- スマホは「親が買って契約して子どもに貸している物」ということを忘れません。
- スマホの使用は夜〇時までとします。
- スマホを使用・充電する場所は、リビング・ダイニングに限ります。
- 食事中にスマホは使用しません。
- スマホをいじらない時間に家庭で楽しく過ごせることを考えましょう。
- スマホによるトラブルが生じたら、すぐに親に相談します。
- 守れなかった時には、〇日間、親にスマホを返します。
スマホはホント便利な道具です。しかし、使い方によっては後々悪影響が出てしまうものです。
道具を使うのは私たち、道具にに使われないように、振り回されないで下さいね。