全家研ポピー公認 23119
月刊ポピーは、全日本家庭教育研究会(全家研)が発行する家庭学習教材です。
このWebサイトは、全家研本部の公認支部サイトです。

月刊ポピーなら家庭学習教材のE.C.S

全家研 月刊ポピー 全家研本部

遺伝か努力か

2021年2月22日

実は私は一卵性双生児でした。残念ながら、23年前に、この世を去りましたので、過去形です。
ですが、やはり「双生児」という文字に反応します。

3月号の「ももちゃん・きいどり」P,35に、篠原菊紀先生の記事があったので、皆さんにも読んでもらいたくて、書きますね。

一卵性双生児をたくさん集めて、知能テストを行います。二卵性双生児もたくさん集めて、同じような知能テストを行います。そして、おのおのの一致の具合を比べます。
何となく想像がつくと思いますが、一卵性双生児の方が二卵性双生児より一致度が高くなります。一卵性双生児は互いの遺伝子のDNAが完全一致していますが、二卵性双生児は兄弟姉妹と同じなので、半分しか一致しないからです。
この一致度の差から「遺伝率」が計算されますが、一般知能(さまざまな知能テストに共通する因子)の遺伝率は7~8割にも及びます。やっぱり遺伝か、ならば努力してもしようがない、そんな気分にもなってきます。
しかし、これが学業成績になるとその遺伝率は5割程度まで落ちてきますから努力は大事です。それに成人期の知能の遺伝率は7~8割程度ですが青年期で5~6割、児童期では4割ほどになりますから、小さいうちの方が努力のしがいがあるわけです。
さらに、「遺伝だから」「素質だから」と考えがちな人と、「努力でどうにでもなると」と思っている人では、後者の方が、成績が良くなったり、社会的成功をおさめやすかったりすることも知られていますし、資質をほめた児童と努力をほめた児童を比較した実験では、後者の方が難しい問題に挑戦し、結果、知能テストの成績が伸びることも知られています。また、幼児ポピーで重視しているワーキングメモリートレーニングを行うと、知能テストの成績が良くなることも知られています。
遺伝の影響は少なからずありますが、ポピーを使ってお子さんの小さな努力を見つけ、ほめましょう。

*ポピっこ「ももちゃん・きいどり」3月号より抜粋

幼児ポピー監修・指導 篠原菊紀

諏訪東京理科大学教授(脳科学、健康科学) 東京大学、同大学院教育学研究科修了。
NHK夏休み子ども科学電話相談など、TV,ラジオ、雑誌での仕事も少なくない。『頭がいい子を育てる8つのあそびと5つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『子どもに教えたいふしぎのお話し365』(永岡書店)、『息子育てが楽しくなる!男の子あるある』(小学館)、『子供が勉強にハマる脳の作り方』(フォレスト出版)等著書多数。

いかだでしたか?参考にしていただければ、幸いです。なんでも知らないで行動するより、知って行動したほうが良いと思いませんか。

画面上部へ